専業主婦の間に勝ち組、負け組といった見方があるようです。
世の中には、色んな勝ち組、負け組が存在します。
結婚している or 独身か、子供がいる or いない、正社員 or 非正規の問題などもそうです。
どちらが勝ち組で、どちらが負け組かを簡単にジャッジすることは、はっきり言って誰にも出来ません。
なぜなら、人それぞれ価値観に基づく見解が違うからです。
勝ち組、負け組を作り出した社会的要因とは
では、なぜ人はこのように優劣をつけたがるのかというと、世の中が平等じゃないからです。
夫の収入だけで暮らしていけるような家庭が、今の社会では少なくなってきているからです。
働きたくても働けない、もしくは、働かざる得ない状況であったり、普通の生活が出来ないレベルまで社会全体が落ちているのです。
アルバイト、パート、派遣、請負など非正規雇用の数は、平成元年(1989年)に817万人で全体の約2割だったのですが、2014年に1962万人と全体の4割まで増加しました。
今は労働者の実に3人に一人が非正規です。それに対して、正社員の数は減少しています。
しかし、正社員だからといって、非正規に比べると給料の格差はあるものの、激務を強いられていたりして辞職する人も少なくありません。
以前勤めていた会社の上司も深夜残業が続き、役職手当の代わりに残業手当は一切つかず、ついに会社を辞めてしまいました。
夫も転勤になる前までは、残業100時間超えていました。
もはや、正社員が勝ち組で、非正規が負け組とかの論点ではありません。
年収300万円~600万円の中間層も1997年から2013年の間に減少しています。
フランスのピケティ氏も指摘しているように、世界中で所得格差が問題となっていますが、日本でも現実となっているのです。
富裕層と貧困層の2極化が進み、中間層が消滅しています。
このままでは、結婚も出来ませんし、子供も作ることが出来ません。
出生率も下がれば、年金の支給額も減ってしまいます。
私達は、定年65歳を過ぎても働き続けなくてはいけなくなるのです。
正社員になりたくて、資格を取得したり、あらゆる努力をして、頑張っても、非正規のままで正社員にはなれません。
努力が報われることはありません。
NHKの「雇用激変」という番組で紹介されていましたが、
例えば、家族4人が暮らしていくには、年収500万円以上必要とされています。年収400万円では足りないです。
夫が派遣社員で年収200万円、妻も派遣社員で年収200万円だとすると、合計400万円です。
生活水準レベルに達するにはあと100万円足りません。
その100万円を社会保障制度で補填して貰えれば、私達の生活はしやすくなります。
社会保障制度とは、子育てや教育の支援制度や、住宅費などの給付金などが挙げられます。
先進18か国を調べたところ、子育て支援制度に力を入れると翌年には経済成長率が上がるという研究結果が出ています。
保育施設が増えれば、ママ達も働きに行くことが出来るので、働く女性の割合が増えて、一人あたりのGDP成長率がUPします。
そのように世の中が上手くいくようになるには、企業側が女性にとって働きやすい環境を作らなくてはならないと思います。
もはや、個人が努力して何とかなる問題ではなく、国レベルの問題となっているのです。
勝ち組、負け組について
貧しさは(自らが自らを)貧しいと感じるところにある。